Party Live ::Act 36-40

第41話「夢幻刀舞」

无寿力 2005/6/16

ゆらめく兇器の瞳の中に、俺は一筋の洸輪を見た気がした。

ぎらぎらと滾る銀色の風が剣先をすり抜けると、一気に踏み込んだ剣身が弧を描いて新月に切り裂 いた。刹那の時間。梳きの巻き戻るその瞬間に、迫り来る一撃を抜き身の長剣で振り払った。弾き合 う金属の閃。煌いた白光は雷撃を放ったかのように夜空に轟く。豪雪の太刀。

わずか独刻の間に、二人は得物の引き際を見極める。鋼特有の淡い焦燥感が漂うと、神通足のごと く交わる双方のそれは、瞬間的に間合いを開いていた。足元を駆ける揺らぎの風は、僅かな堰応と共 に震えていた。

滑る桜花の切っ先は、己を穿つ為に在る。彷徨う華の欠片のように、舞い散るままに斬り結ぶ。立 て続けに繰り出されるその斬劇は、奏者を映すかように見えた。未だ見知らぬまま、駆け抜ける疾蔽 剣は嘗めるように円を二分していく。刹那を切り結ぶ囁きに、私はただ無我で軌跡を逢わせるだけだ った。月夜を撫でる閃きの如く、ただ無音に鋼が弾け飛ぶ。

繰り出した一瞬の独刻を見詰めて、刹那に二檄の斬鉄を奔らせた。一つは地から沸き起こる飛鳥の 如く、二つは必殺を狙う渾身の突き。

二の太刀が閃くか薙ぐかする寸前に、奴は真中に合わせていた。三度交わる剣戟の邂逅。ぎらりと 光る剣身の月明かりが、僅かに幼少の記憶を思い巡らせた。重い鋼の諸刃が唸る。

雷鳴が止んだ。それは束の間の静寂だった。きりきりと張り詰め、銀のように尖った気迫。あたり にはただ夜風だけが揺らめいているというのに、闘気がまるで灼熱のように纏わりついて見える。赤 い。そう例えて言うならそれはただ朱紅い生命力だった。極めて普通に鼓動するその振動が、霹靂の 如く瞬いて振れる。しじまを破る律動はただ一時の心拍だけだった。